ジャパンカップ
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■2011年度 第14回木造耐力壁ジャパンカップ 結果報告

■ 第14回木造耐力壁ジャパンカップ 結果報告

はじめに
 2011年度の木造耐力壁ジャパンカップが、2011年10月8日(土)、9日(日)、10日(月)の3日間にわたって静岡県富士宮市の日本建築専門学校にて実施されました。出場耐力壁は全16体で、前の2日間で予選の対戦を行い、それを勝ち抜いた8体による決勝トーナメント戦が最終日に行われました。

会場風景
会場風景

木造耐力壁ジャパンカップは、トーナメント形式で対戦を行っており、その優勝者には強度部門賞の優勝杯が贈られます。また、(1)対戦時に計測した荷重と変形の関係を示すグラフの面積から算定する耐震評点、(2)審査員3名の評点の合計点であるデザイン評点の合計を耐力壁の性能として評価し、それをコストで割り算した点が最も高い壁に総合優勝杯を贈ることにしています。コストは、ルールに基づく形で算出された、材料費・加工費・施工費・環境負荷費の合計値を用います。基本的なルールは、この数年変わらず、一昨年からは出場耐力壁数を申し込み先着順の16体に絞って実施しています。
 ルールにおいて、本年度は次の2点を変更して実施しました。
・総重量を制限するのではなく、使用材料の重量に係数をかけて計算する環境負荷費に制限を設ける形にしました。
・施工時間について、15分以内に桁を載せること、1時間以内に施工を完了することに関して、ペナルティーを設けて許容するものとしました。

 デザイン点の評価をする審査員は次の方々にお願いしました。
岸純夫 財団法人日本住宅・木材技術センター理事長
河野泰治 建築家(河野泰治アトリエ代表)、東京大学非常勤講師
網野禎昭 法政大学デザイン工学部建築学科 教授
参加した16の出場チーム名ならびに耐力壁名は次の通りです。

<1日目>
・日建カベスキー:繁キング
・株式会社ポラス暮し科学研究所:頂(いただき)
・東京大学木質材料学研究室+金子建築:東濃桧の壁U 〜ボルボックス〜
・早稲田大学新谷研究室:めりこみ少女ver.2.03
・東北職業能力開発大学校:CROSS PIECE
・小松組+安井杢:数寄檗
・滋賀県立大学永井研究室:湖風壁
・四国職業能力開発大学校:

<2日目>
・静大・ヤギモクチーム:板壁2号
・チーム匠((株)アキュラホーム+東京大学木質材料学研究室+篠原商店):紬(つむぎ)
・東京都市大学 大橋研究室:初代ユキヒロ
・東京工業大学 ああしたい格志隊:格子再考(最高)
・秋田職業能力開発短期大学校:ヴィクトリーバーゲン
・滋賀職業能力開発短期大学校: Diagonal(ダイアゴナル)
・ハウスプラス住宅保証株式会社:HPW05 finale
・TOUHOKU(ポラス建築技術訓練校):アロエリーナDX

1日目、2日目に1回戦を行い、それを勝ち抜いた壁が、3日目の決勝トーナメント戦に進出することとなっています。対戦結果を示した決勝トーナメント表を下記に示します。

図1

 今回は、それぞれのチームごとに特色のある壁が登場し、熾烈な争いを繰り広げました。
材料の環境負荷費2万5千円以下という新たな条件の元、予選を勝ち抜いて決勝に進んだ8体中、6体は金物を使わない壁でした。そのような中で、金物も利用して、与えられた条件下で最大の耐力を発揮することを目指した頂(いただき)がトーナメント戦を制しました。

各賞は次の通りです。

●トーナメント優勝
 株式会社ポラス暮し科学研究所: 頂(いただき)

●総合優勝
 チーム匠((株)アキュラホーム+東京大学木質材料学研究室+篠原商店): 紬(つむぎ)

●各部門賞
<耐震部門>
 株式会社ポラス暮し科学研究所: 頂(いただき)

<デザイン部門>
 小松組+安井杢: 数寄檗

<加工、施工部門>
 チーム匠((株)アキュラホーム+東京大学木質材料学研究室+篠原商店): 紬(つむぎ)

<環境部門>
 東京工業大学坂田研究室 ああしたい格志隊: 格子再考(最高)

<審査員特別賞>
 日建カベスキー: 繁キング

 この数年、学生チームの参加が増えています。今後、なお一層、木質構造を実践的に学ぶ場となっていくことと思われます。

木造耐力壁ジャパンカップ実行委員メンバー
湘北短期大学 生活プロデュース学科 岩崎敏之