◆第4回 木の建築フォラム研究集会/日田

テーマ「森と文化を未来につなぐ」
〈過去〉 先人から受け継いだ自然や木の文化
〈現在〉 産業再生とネットワーク
〈未来〉 森と文化を未来につなぐ

■開催時期:
2010年11月5日(金)〜7日(日)

■場所:
パトリア日田大ホール(日田市市民文化会館)
〒877-0016 大分県日田市三本松1-8-11

■主催:
「森と文化を未来につなぐ」実行委員会

■共催:
日田市、京都仏教会、文化遺産を未来につなぐ森づくりの為の有識者会議、特定非営利活動法人 木の建築フォラム

■後援(予定):文化庁、林野庁

■主旨:
 森林は、木材生産機能をはじめに、水源かん養機能や国土の保全機能等多面的機能の確保に大きな役割を果たすとともに、森林は伝統的建築物等を支える機能としても深く関わっています。また、日田林業と地域住民との関わりは深く、豆田地区、隈地区を中心に歴史的に貴重な木造建築物等や日田祇園祭りに欠かせない山鉾、さらに小鹿田の里に見られる唐臼等、林業地日田ならではの木の伝統文化が脈々と息づいており今に受け継がれています。
 我が国においては、世界に誇る木造建築物の文化財が数多く存在しておりますが、文化財の修理や新築に使う高品質な大径木を山に残すことが難しくなっています。このことから、平成14年に京都仏教会理事長の有馬頼底氏らでつくる「文化遺産を未来につなぐ森づくりの為の有識者会議」が設立され、平成20年から80年生以上の木を「文化材」創造プロジェクトへの登録参加を森林所有者へ呼びかけるなど、文化財の用材の確保と伝統技術の継承等の重要性を全国に発信しています。
 日田市は、日田市有林にある90年生のケヤキ250本を「文化材」創造プロジェクトへ登録し、また、研究集会「森と文化を未来につなぐ」を開催することとなりました。この研究集会を通して、かけがえのない文化財を、次世代につなぐ文化財の森構想や木材の重要性、森林が人々の生活に果たしてきた役割等を広く再認識するとともに、森林の持つ多面的な機能の啓発を行なうことにより、森林資源整備の促進、林業後継者の育成等を図り、森林・林業の再生を全国へ呼びかけていくものです。(松留愼一郎)

■スケジュール:

  1. 11月5日(金) 見学1
     福岡空港を午前11時に出発 → 英彦山神宮 → 小鹿田焼きの里 → 日田市。途中で昼食を取ります。
     見学1 のバスを利用されない方は、福岡空港から日田市までの高速バスが便利です。所用時間は約90分、15〜30分間隔、片道1,750円。
  2. 11月6日(土) シンポジウム
    • 挨拶(10:00〜10:20)
      広瀬勝貞氏(大分県知事)、佐藤陽一氏(日田市長)
      伊藤延男氏(文化遺産を未来につなぐ森づくりの為の有識者会議 共同代表)
    • 第1部(10:20〜12:10)
      〈過去〉先人から受け継いだ自然や木の文化「文化財の森(文化財と森の再生)」

      コーディネーター:江面嗣人氏(岡山理科大学教授)
      パネラー:大野玄妙氏(法隆寺管長)、高千穂秀敏氏(英彦山神宮宮司)、宮城泰年氏(聖護院門跡門主)、山本博一氏(東京大学新領域創成科学研究科教授)
    • 第2部(13:00〜14:20)
      〈現在〉産業再生とネットワーク「生き生きと山で働く」

      鼎談:速水亨氏(速水林業代表)、加藤鐵夫氏(社)日本森林技術協会専務理事)、合原眞知子氏(マルマタ林業代表)
    • 第3部(14:30〜15:30)
      〈未来〉林業を志す若者と意見交換

      コーディネーター:佐藤陽一氏、有馬頼底氏(相国寺管長)、日田林工の高校生3〜4名
    • 第4部(15:30〜16:00)
      〈未来〉森と文化を未来につなぐ

      総括:有馬孝氏(宮崎県木材利用センター所長)
  3. 11月7日(日) 見学2(予定)
    ホテルソシア→上津江町の津江杉(一般的な日田杉の林業地)→トライウッド「輪掛け乾燥」の土場等(丸太での約1年間にわたる自然乾燥)→(昼食)→日田林業の山→重要伝統的建造物群保存地区豆田の町並み→岳林寺等→福岡空港に18時頃到着予定