◆第16回 木の建築フォラム/越後妻有 

■テーマ:
「越後杉 現代の匠と文化」
 −水と大地に寄り添う暮らしと復興−

■開催時期:2012年9月8日(土)

■会場:
クロステン 中ホール((財)十日町地域地場産業振興センター/住所:新潟県十日町市本町6丁目)

■アクセス:JR十日町駅から徒歩20分

■主催:
特定非営利活動法人越後妻有里山協働機構、特定非営利活動法人木の建築フォラム

■共催:
大地の芸術祭実行委員会、文化遺産を未来につなぐ森づくりの為の有識者会議、これからの木造住宅を考える連絡会

■後援:
新潟県南魚沼地域振興局、新潟県十日町地域振興局、十日町市、十日町建築組合、魚沼木材協同組合、新潟県建築士会中魚沼支部、ゆきぐに森林組合、十日町地域林組合、妻有木材協会

■協賛:(社)全国木材組合連合会

■協力:studio-H5

■主旨:
 越後の風土は、夏の蒸し暑さ、日本屈指の降雪量など、決しておだやかではありません。しかし、縄文時代には笹山遺跡、火炎型土器に象徴される一大文化をつくり、後の時代においては、日蓮、親鸞、世阿弥、一向門徒など、権勢と距離をとってきた気骨の人々を受け入れ、亀田郷の沼地、山の斜面、川の流路さえも田んぼに変え、日本有数の米どころをつくってきました。その営みは水と大地との格闘の歴史と言えます。
 厳しい風雪に耐えながら育つ越後の杉は、根曲がり、含水率の高さ、成長の遅さなどのハンデを持ちますが、年輪を詰んだ稀にみる木の強さへとつながっています。建築の部材としては蒸し暑さを和らげ、米や酒、織物、水運の船など地場産業とも結びついて地域の営みを支え、冬場の日照時間の少ない裏日本において陰影礼賛の美学を形成してきたものと思われます。
 今回のフォラムでは、風土、木の性質、時代の技術などを統合しながら越後杉を扱ってきた越後大工の現在、科学的な視点からみた越後杉の位置づけ、現代美術・デザイン・建築など技芸としてのアートからみた越後杉の新しい可能性に焦点をあて、陰影礼賛の美学とともに、地震・豪雨・洪水・豪雪といった災害が生活に折り込まれている越後の暮らしのなかから復興の意味を考えます。

■プログラム:
<1日目> 9月8日(土)シンポジウム
参加費無料(但し資料代は2,000円)・定員100名

12:30 受付開始
13:00 開会挨拶 関口芳史(十日町市長)、坂本 功(NPO木の建築フォラム理事長)
13:15 第1部 講演

  1. 「日本の杉、利用の課題」
    有馬孝礼(東京大学名誉教授、NPO木の建築フォラム代表理事)
  2. 「現代美術と里山の復興」
    北川フラム(越後妻有大地の芸術祭総合ディレクター、(株)アートフロントギャラリー代表)
15:00 第2部 パネルディスカッション
司会:
 安藤邦廣(筑波大学芸術学系教授、NPO木の建築フォラム代表理事)
パネラー:
 村松二郎(ゆきぐに森林組合長、新潟県議会議員)−「越後杉の流通課題」
 岩崎昌一(新潟県農林水産部林政課木材振興係長 −「越後杉の特徴と利用」
 重川隆廣(重川材木店代表取締役)−「越後杉 川上から川下まで網羅」
 関 由有子(建築家)−「文化継承、地域活性化」
 山本浩二(アーティスト)−「森と木のアート」

17:30 キナーレ(越後妻有交流館)見学
18:00 情報交換会(懇親会)キナーレレストラン、会費6,500円(芸術祭パスポート保有者は5,000円)

※情報交換会終了後、宿泊先への送迎バスをご用意しております。

■エクスカーション(見学会)バス:
<2日目> 9月9日(日)参加費:7,000円
(バス代・昼食代・作品鑑賞料込み ※芸術祭作品鑑賞パスポート保有者は5,000円)

8:00  ホテルグリーンプラザ出発
8:40  林屋旅館
9:00  越後杉の森
10:00  越後杉の加工現場
11:00  絵本と木の実の美術館
12:00 田中文男文庫
12:30 バタフライ・パビリオン
PM 13:00〜うぶすなの家(昼食)&みしゃぐち
14:30 戦後のラブレター
15:00下条駅(下条茅葺きの塔/下条プロジェクト)
16:00 JR十日町駅にて解散
・新幹線で東京方面へ
JR上越線特急十日町16:31発〜越後湯沢16:54着
⇒越後湯沢17:02発(JR上越新幹線)〜東京18:20着

■関連書籍:
会誌「NPO木の建築」等、フォラム出版物のバックナンバーに「大地の芸術祭」の関連記事が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

  • 「NPO木の建築」32号
    特集/第15回木の建築フォラム/能代「地域の木の学校づくり」パネルディスカッション
  • 第15回木の建築フォラム/能代 資料集
    越後妻有「大地の芸術祭の里」文化・芸術によるコミュニティデザイン/パネラー 関口正洋
  • 「NPO木の建築」22号
    特集/木造廃校舎の転用・再利用:越後妻有・大地の芸術祭・木造空き校舎の利用/関口正洋
  • 「NPO木の建築」16号
    特集/地域文化資源の活用:越後妻有・農村再生−「大地の芸術祭」/関口正洋
  • 「NPO木の建築」13号
    巻頭インタビュー:山村の蘇生、協働の芸術/北川フラム/安藤邦廣
※詳しくは出版物案内ページへ